Rouge Tea Party @Caltech

Caltechで理論物理の研究をしています。

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12月前半

IBMで以下のような学会が開かれていたようで、僕たちのボスと、同僚Mが参加してきたそうです。
http://researcher.ibm.com/researcher/view_project.php?id=4847

「小さなquantum computerで何ができるか?」

まずは、ポジティブな視点から動機を書きます。テクノロジーの進歩はすさまじく、近い未来、我々は100qubitレベルの量子コンピューターを手にするであろう。では、100qubitコンピューターでどんな事ができるだろうか?皆で考えてみよう!!

次に、ネガティブな視点から動機を書きます。量子系特有の技術的困難さのせいで、Full scaleな量子コンピューターはいつまで経っても出来そうに無い。出来てもせいぜい100qubitくらいだろう。では、それで一体何ができるだろうか?

どちらの動機を取るかは個々人の趣向の問題として(僕は後者です)。考えてみる価値のある問題であることに、間違いは無いかと思います。

で、結論はなんだったのかというと、「誰にもわからない。」だったそうです。

参加者たちはみな、「時間発展するようなダイナミクスを勉強するのに使うべき。」という点では一致していたようですが、具体的に何をするべきかは見当もつかないといった様子だったそうです。

僕が個人的に面白いと思ったのは、ボス自身のアイデアでもある、「量子カオス系」を勉強するのに使うというアイデアです。
古典コンピューターが登場して、最もconceptualに驚きだったのは、Fermi-Pasta-Ulamらによる古典カオスの発見であったように思います。
なので、量子コンピューターが登場すれば、量子カオスに対応するような現象を作り出す事が可能になるかもしれません。

正直、僕自身は量子カオス系が何なのか全くわからないのですが、同僚Pの父親はアルゼンチンで量子カオスの研究をしているそうです。実は、世界に先駆けた研究をしていた?なんて事になるかもしれないですね!!



高校の先輩でもある東大の立川さんが以下のような講義録を投稿されていました。
http://arxiv.org/abs/1312.2684
僕は内容については専門外なのでコメントのしようがないのですが、謝辞に書かれている文章がとても興味深かったです。

"The author also thanks the right amount of duties associated to his position, with which he cannot concentrate any longer on cutting-edge researches but still has some time to summarize what he already knows. In particular, he thanks various stupid faculty meetings he needs to participate, during which time he drew most of the figures on his laptop. The readers should therefore thank the overly bureaucratic system prevalent in University of Tokyo, which made this lecture note materialize."

無意味な会議がたくさんある東京大学の現状を痛烈に皮肉っておられるようです。それにしても東大の先生方は、週に1回しか講義をしないで良いし、とても質の低い講義をいつもなさっているので、研究者としてのdutyはとても軽いのだと思っていました。僕は一生帰国しないでおこうと思いました。先輩の忠告は大切です。

もう一つ関連した内容ですが、東大の物理学科が以下のような求人を出していたそうです。一部で話題になっていました。

http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/recruit/?id=384

「国際化および男女共同参画の立場から、外国人または女性の研究者(助教)の公募」との事です。

まず第一に、外国人に関連する公募なのに、英語での記述が見当たらないようです。次に、性別や国籍を絞って公募を出すことは、そもそも法律上許されているのでしょうか。なんか、色々と的外れ気がします。非常に残念ながら、これが僕が学部時代に所属していた学科なのです。



さて、自らの過去を否定するのはこれくらいにしておいて。研究の方はというと、モントリオールからのビジターさんが教えてくれた問題が面白かったので、それに関連した事を考えています。プランとしては2つの事を示そうと思っていています。(1)とても良い性質を持ったコードが存在する。(2)そのコードが実はベストである。

1つ目は2日くらいで解けたのですが(!)、2つ目はけっこう手強そうです。。。でも、解こうとしている途中で色々と面白そうなobservationたちを得たので、順調と言えば順調です。特に、Z4 Toric codeとZ2 Toric code(2つ)が違うquantum phaseに属しているという事を、ちゃんとした証明できました。結果自体は物理的には明らかなんですが、degeneracyもentropyも同じなので、意外とnon-trivialな問題でした。これを拡張して、F matrixが違えば、違うphaseだと証明できるかなあと考えてます。

同僚Pもこの問題に興味を持ったらしく、違うアプローチから関連する問題を考えていて、相互に協力しつつアタックをかけています。こちらは、Complexity的な観点から攻めているので、僕は基本的に的外れな事を横から言ってる感じですが。

その他は、(a) 学生Kとの論文2本の仕上げ。(b) Computer Clusterを使うのに悪戦苦闘。(c) 学生Mとの物性論プロジェクトに少しの進展。(d) 元同僚GがCaltechにセミナーで帰って来た。(e) Gが解きたがっていた問題を、学生Sに丸投げした。
といった感じです。




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  1. 2013/12/19(木) 19:20:23|
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