Rouge Tea Party @Caltech

Caltechで理論物理の研究をしています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

1月前半

UC Berkeleyでのworkshopに参加してきました。テーマはハミルトニアン複雑性、要は量子版のComplexity theoryで、量子版のNPとかを考えたりする学問です。

Quantum Complexity自体は、Computer Scienceにおける重要な研究分野の一つなのですが、Computational Problemを「Hamiltonianの基底状態を求める問題」という風に書き直すことで、物性物理の問題のように考える事も出来ます。例えば、スピングラスの基底状態を求めるという問題を、NPと同じくらい、もしくはそれよりも難しい問題に例えるといったものです。今回のworkshopのスコープは、Computer ScientistとCondensed Matter Physicistの橋渡しをするという事でした。

講演者の方々はほとんどがComputer Science出身で、僕も知らなかった手法や現象がたくさん紹介されて、とても勉強になりました。けれども現状では、物理学者が考えている問題と計算機科学者の考えている問題には大きな溝があるように感じます。計算機科学の研究結果の物理的な意味を、もっと深く洞察していくような研究が必要であろうと感じました。


それはそうと、Workshopを一日だけ抜け出して、Stanfordでセミナーをしてきました。

Stanfordでは今年からPatrickがマギル大学からFull Professorとして引き抜かれて、量子情報のグループを作ろうとしている最中です。今学期から、Information Physics Seminarというシリーズを始めたらしく、記念すべき第一回のゲストという身に余る光栄でした。

聴衆は、素粒子論と物性論が大半で、量子情報は数人しかいないだろうという事だったので、どちらかというとセミナーというよりはコロキウムに近いような感じでスライドを準備しました。正直、けっこう緊張していたのですが、講演自体は上手くいったかと思います。

けれど、今の自分にできるベストの講演をしたのだろうなというのは確かなのですが、このままでは越えられないような大きな壁も感じました。今のままだと、「他分野の何だか面白そうな研究の話を聞いた」、だけで終わってしまいますし、「この分野に参入していくべきじゃないのか?」、と思わせるような研究をしないと、こういう所でポジションを取るのは難しいのだろうなと感じました。


Caltechに帰って来ると今度は、MIT時代の同僚がFacultyの候補としてCaltechにやって来ていました。彼女とは同室のオフィスで同じアドバイザーと2年間働いた経験があって、そんな仲の良い友人が先にキャリアを進めて行くのを目の当たりにするのは、非常に心に来る物が有ります。

彼女にあって自分に足りないもの、自分にあって彼女には無いもの、色々な事がはっきりと見えるようになりました。そして、僕が出来ることは一つ一つ壁を越えて行くことだけです。



スポンサーサイト
  1. 2014/01/22(水) 18:12:55|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。