Rouge Tea Party @Caltech

Caltechで理論物理の研究をしています。

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5月後半

約4カ月ぶりの東京訪問。

今回は広尾と六本木周辺を中心に滞在。
この地域は、日本国内において洋風な生活をできる唯一の場所なのだと思う。
日本人というよりは、日本及び東洋文化に憧れるアメリカ人と化してしまっている僕としては、なかなか暮らしやすい町だった。

ごはんも美味しいし!

しかし唯一の、そして非常に重要な問題点は、ボストンやパサデナでの普通の暮らしをここで再現しようとすると、約5倍の出費に。
そして、僕にとっては収入を5倍にする努力よりも、アメリカで職を見つける努力の方が簡単なので、僕は迷い無く後者を選ぶだろうと思う。。。

IMG_0011.jpg

Nさんが4月から東工大の先生になられたので、訪問。
ボストン時代に一番仲の良かった日本人研究者であり、自分の師であり、なんか色々。

僕のとても偏見に満ちた物差しによると、Nさんはこの世代で日本で一番優秀な理論物理学者だと思う。
そんなNさんがアメリカではなくて日本を就職先として選んだのは、僕個人としては大きな動揺だった。
けれど、実際に訪問してみると、なんだかしっくりきたし、全く昔と変わっていなかった。

僕のとても偏見に満ちた物差しによると、東工大の物性理論のレベルは非常に高くて、日本国内では間違い無く一番だと思う。
なので、これは当然の選択だし、妙に納得した。

僕もアメリカに残るか日本に帰るかの選択を、そのうち迫られることになるのだろう。
けれど、僕の場合はほぼ確実にアメリカに残ると思う。

僕のとても偏見に満ちた物差しによると、日本の量子情報理論のレベルは相当低いので、僕みたいなバックグラウンドの人が日本のコミュニティにできる貢献は多大だとは思う。
ただ、研究の貢献というのは民族や土地に対して成されるものではないし、僕はリーダーシップに才能を発揮するタイプではない。
それに、若い世代の学生たちにとっても、日本国外でキャリアを築くという前例があるのは、日本の研究コミュニティをとりまく閉塞感を拭うのではないかと思う。

ルールや構造が与えられた時に、99%の人はそれに何とか対応することが出来るけれど、どうしても出来ない!という人が1%いる。
そういう人は、自分に合っている環境に身を移せば良いと思うし、僕はそういった人たちの道しるべになれればそれでいい。


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  1. 2013/05/28(火) 10:12:41|
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5月最初

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Lake Arrowheadという近郊の湖に行って来た。研究部門の全体の旅行で、40人くらい参加。ゴールはもちろん、他のグループの人たちとも仲良くなろう、ということ!
だったんだけど、来ているのはかなり離れた分野の人たちばかり。そうなってくると中々難しいし、やっぱり組織の規模が少し大きくなりすぎている気がした。
昔は量子情報理論グループだけのこぢんまりした組織だったのだけれど、今は、量子情報理論、量子光学、固体物性理論、固体物性実験、重力波検出、が一つになっている。
これは多分、Caltechの量子情報理論グループがとても強力で、研究結果及び研究資金的にもかなり成功していたので、それに乗っかっていこうという試み。

もちろん、他の分野の人と話すのはそれなりに意味のある行為なのだけれど。でも、僕個人としては一番お話を聞いて勉強したいなと思うのが弦理論の人々だったりする。
けれど、彼らは彼らで独立したとても強力なグループを構成しているので、わざわざこちらとネットワークを作る必要は無いっていう現状。。。
MITがやってるように理論物理で一つの組織にしてしまって、こういう旅行の際には実験の先生を1人招待して講義してもらう、みたいな形が一番いいと思うのだけれど。



Caltechの量子情報グループに、新しいFacultyが加わるかもしれない。元々MITでポスドクをしていた人で、コンピューターサイエンス学科からオファーが出ている。
元々の予定では量子情報の人にオファーを出す気は無かったらしいのだけれど、とても優秀だったから他分野の人を押しのけてオファーを勝ち取ったとのこと。
けれど、他の大学からもオファーが来ているらしいので、こちらに来てくれるかは不明。
CaltechとしてはKitaev以来の量子情報理論でのオファーということになるので、それはもう凄いこと凄いこと。



こちらの学生と、一つ研究プロジェクトを始めた。ポーランド人の学生で、backgroundがけっこう僕と似ている感じ。そういえば、前に指導した学生もポーランドの血が半分入っていた気がする。
半年くらい前から定期的に色々と話をしてはいたのだけれど、あまり実際に手を動かして一つの事に集中して研究するのが苦手なタイプっぽくて、いろんな事を勉強してる内に時間だけが過ぎていった。
でも、ようやく焦り始めたらしく、観念して一つのプロジェクトに集中する気になったらしい。

今の所は、マイクロマネージメントしてあげた方が良いタイプのように思える。つまり、細かくやる事を指示してあげている。
要は、研究の全てを見通しているフリをしつつ、実際は彼の数メートル先を走っているだけ、という状態なので、こちらとしても勉強し続ける必要がある。
ちなみに前の学生は、ほっといても研究し続けるので、変な方向に走り出さないかを常にチェックしている必要があった。
この場合は、勉強し続ける必要は無いけれど、彼の持って来るクレイジーなアイデアにいつも注意深く耳を傾ける必要があった。

世の中には、色々なタイプの学生がいるんだろうな。才能があって、個性的な学生を1対1で深く指導出来る事こそが、トップスクールの醍醐味。
同時に、それは僕があまり日本に戻りたくないな、と思う理由でもあったりする。。。



ビザの更新をした。僕は今、F1-OPTという身分。
F1というのは学生ビザの事なのだけれど、PhDを取るとほぼ無条件でビザを最大2年半延長できるという制度があって、それがF1-OPTと呼ばれている。
で、1年間経ったので、残りの1年半分の延長申請をした。

書類上は、僕はいまだにMITの学生という扱いになるらしく、ビザに必要な書類は全部MITから取り寄せなければいけない。これに200ドルかかる。
で、その後、移民局に延長申請。これに380ドルかかる。研究費から落とせるので、別に良いけれど、やっぱり高すぎる。。。
で、2ヶ月半くらい経つと、アメリカで働いてもいいよ、というカードが送られて来る。
逆に、これを持っていない限り、アメリカには入国出来ないので、申請期間中はアメリカから出国できない。
つまり僕は、6月中旬から8月中旬にかけて、アメリカから出国出来ない。。。



IMG_4179.jpg

共同研究者でもある同僚に連れて行ってもらって、久しぶりに飲茶を食べに行った。
飲茶に行ったり中国系のスーパーに行く度に、中国人たちの熱気やパワーに圧倒されて、はっとした気分になる。
こういう熱気をみていると、近年のアメリカ理論物理のjob marketは、中国人が占める割合がどんどん上がっているのも、納得がいく。

日本人の物理学者が何故アメリカで職を取らないのかor取れないのか、とても不思議な問題だ。これは色々な人に聞かれる事なのだけれど、良い答えが思い付かない。
日本は研究環境に恵まれているから、わざわざアメリカまで行く必要が無い、というのは、まあ無難な答えかもしれない。
けれど、アメリカにおける、日本の理論物理の存在感の無さは凄まじい物がある(特に量子情報理論)。なので、そんな返答をもらっても、本当に良い研究環境なのかな?と首を傾げているのが、何となく想像できる。唯一の例外は、弦理論?
何にせよ、負け惜しみにしかなっていないなー、と、いつも釈然としない。

まあ、この問題に対する答えは、自分自身が2年後に知る事になるので、楽しみに待っていようと思う。
さて、明日からは4ヶ月ぶりの東京。妹様とは、1ヶ月ぶりの再会。




  1. 2013/05/16(木) 16:19:38|
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