Rouge Tea Party @Caltech

Caltechで理論物理の研究をしています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

the map of my life など

学生じゃなくなったので、これを機に昔の日記は黒歴史として葬り去りました。恥の多い人生を送ってきましたので。。。

The map of my life

MIT経済学部の日本人の友人に勧められて、志村五郎の伝記であるthe map of my lifeを読みました。面白かったので、ちょっと感想を。

Map of My LifeMap of My Life
(2008/09/29)
Goro Shimura

商品詳細を見る


志村五郎は、とても有名な大数学者です。戦後すぐの日本で数学者としてのキャリアを開始したのち、プリンストンに移り、そのまま名誉教授にまでなりました。数学や理論物理でアメリカのトップ校で職をとった日本人は数えるほどしかいないので、貴重な先人からのアドバイスになるかもと思い、読んでみました。

amazonのレビューを見てみると、志村五郎はとても自信過剰な人であるかのように書かれていて、まあ確かに、出会った人ほぼ全員の悪口を書いているんですが。。。実際に読んでみると、とても真面目で謙虚で真摯な人であるかのように映りました。どのような研究が成されるべきなのか、を常に深く考えて意識している人なので、非常に実践的なアドバイスを汲み取る事も可能な良書だと思います。

物理学者について書いているページもいくつかありました。Eugene Wignerが志村に、「物理じゃ、お前のやってるような数学なんて使わないよ」って言ったらしいのですが。それに対して志村は、Wittenは自分の授業に出ていて良い質問をたくさんしていた気がするけれどね、と皮肉たっぷりに書いています。まあ確かに、物理学者の本音は、「数学なんて難しすぎて使えないよ」ですからね、耳が痛いです。ただ僕は、そんな志村のコメントに対して、恐らく物理学者の95%がWittenのことを物理学者だと思っていないという事実を、付け加えておきたいと思います!

ところで、youtubeで本人が英語で話しているのを見た所、お世辞にも上手とは言えない英語だったのですが、本の方はとても簡潔で綺麗な英語で書かれていて、文才を感じました。あのレベルで英語を書けるようになるためには、僕はもう数年努力が必要だなと思いました。これは、素直にすごいと感心しました。それに、とても教養あふれる文章で、これはこの世代の日本人の特徴なのかなあと思います。僕のように、文化的教養=サブカルチャー、と半ば本気で思っている歪んだ現代人には到底書けない文章です。

ちなみに日本語版のタイトルは、「記憶の切繪図」です。日本語って美しい言語だなあと、改めて思いました。

Career Advice

一方で、いわゆる「天才」系の数学者の代表格である、Terence Taoによるキャリアアドバイスを見つけました。Terence Taoは、最年少で数学オリンピックで金メダルを取った人です。フィールズ賞受賞者です。

http://terrytao.wordpress.com/career-advice/

時間の使いかた、共著の仕方、プレゼンの仕方、その他色々なことが載っています。

人々から伝え聞く所によると、Terence Taoはproblem solverタイプの科学者として最高峰の方のようです。そういう人でも、細かな工夫や努力を怠っていないというのは恐ろしい話ですね。一方で、志村五郎は自分自身の事を、theory builderだと捉えているような描写がありました。当然、2人の文章から汲み取れるアドバイスは、全く被っていません笑。僕には、志村五郎のアドバイスの方が有用でした。

当たり前だけど、研究者には色々なタイプがいます。僕が今まで見つける事が出来たタイプは、以下の6つです。
1、leader
2、problem solver
3、theory builder
4、model builder
5、deep thinker
6、follower

個人的には、1から5のカテゴリーに研究者としての優劣は無いと思っています。日本国内の優秀な研究者は、5のタイプが多い気がします。アメリカに留学してくる日本人の多くが1を目指して、結果6に落ち着いている気がしますが、それはそれとして。

僕自身は、レベルはともかく、model builderのカテゴリーの研究者かなと思っています。シンプルな発想に基づいて、個性と直感が勝負のカテゴリーです。
自分はproblem solverとしての能力もそれなりにあると思いますが、このカテゴリーは10年に1人の天才がいればいい所ですので、途中で方向転換することにしました。
ちなみにMITでの指導教官は、problem solverタイプとして最高峰なShorだったのですが、特に盗めるものが何もありませんでした笑。何と言うか、僕とはタイプが違いすぎて。。。

そんな感じで頑張ってみようかと思います。
スポンサーサイト
  1. 2012/07/30(月) 04:40:01|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。