Rouge Tea Party @Caltech

Caltechで理論物理の研究をしています。

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ポスドクの職探し

物理学分野においてアメリカでポスドク職を見つけたい人のために、自分の経験を書いておきます。僕はPhDをアメリカで取得しているため、アメリカで教育を受けた研究者の視点からの職探し事情です。

僕の場合は、MITでPhDを取った、ある程度インパクトの強い単著の研究結果が2つあった、指導教官が有名だった、指導教官とは独立にずっと研究していた、大学院生を指導して良いジャーナルに論文を載せた、等の強みがありました。なので、あまり職探しに苦労しませんでしたし、あまり苦労話とかは出て来ないと思いますので、そういうのが好きな人には全く面白く無い文章です。

どちらかというと、これから留学するかもしれない学生たちに、将来への明るいイメージになればいいかなと思います。日本ではポスドクと言うと、何故か暗いイメージしか無いので!


日本の海外学振のように各国政府の奨学金でポスドクをすることも可能なのですが、残念ながら、基本的には「お客様」扱いでしかないのが現状です。この点は、あまり日本人研究者の中では理解されていないように感じますが、とてもとても重要なことです。その中に掘り出し物の研究者はいても、本当のスター研究者はいません。

ということで、アメリカの大学院を卒業する学生達は、必然的にフェローのポジションを狙って行く事になります。


フェローは、各大学に2、3名ずつ割り振られていて、教授に雇われるのではなく学科から直接雇われるポストです。給料は65000$くらいで、名誉あるポストだと言われています。自分用の研究費が付いて、引っ越し費用などが完全にサポートされて、福利厚生も良かったりします。実験や理論の区別なく、分野に関係無く募集するので競争は激しいですが、同時にこれに引っかからないと、アメリカ国内でポスドク後の職探しには苦労することになります。

Harvard, Berkeley, MIT, Princeton, Caltech等で募集しています。トータルで1学年あたり20枠くらいです。僕は日本で教育を受けていないので正確な比較は出来ないですが、東大の助教のポストと比べると、フェローの方がはるかに上のポストであるのは間違いないと思います。


MITからだと、卒業生の中で上位10−15%くらいならフェローのポストを取れるイメージです。僕の学年は、理論物理でPhDを取ったのが10名弱で、その中から僕を含めて3名がフェローのポジションを取っています。なかなか優秀な学年でした!1学年トータルで30名強です。

もちろん東大からそのようなポストを取るのは方々もいらっしゃいますが、かなり数は限られているようですし、難しいように思います。ただ、大学院からMITやCaltechに入るのも同等に難しいので、どちらが良いかはわかりませんが。


僕は、Caltechのフェロー、Perimeter Institute(研究所)のポスト、IBMのポストに3つに応募しました。3つとも何度か研究で訪れた事がありましたが、Perimeter Instituteからは、インタビューに呼ばれました。といっても、その時にはほぼオファーを出す事が決まっていたようで、初日から所長さんが建物を案内してくれたりと、緊張感は全くありませんでした。Caltechは、その半年前くらいにセミナーに行っていたので、わざわざ行く必要が無かったです。Caltechは、向こうからも欲しがっている感じが何となく伝わってきていたので、特に心配はしていませんでした。IBMはあまり自分に合っていないと思っていたので、Caltechからのオファーが来た時点で直ぐに断りのメールをいれました。それと、Max-Planckからは、来たくなったらいつでも来れるようにポストを用意しておくと言われましたが、真偽のほどはわかりません。。。


フェローのポストは、科学を愛する心優しいパトロンの方々の寄付から成り立っています。ですので、パトロンが、「この子を支える事を通じて、人類の叡智と真理の探究に貢献している」、と思えるように振る舞うべきです。研究は、世の中に役に立つ必要はありません。けれど、人々に夢を与えようなものであるべきだと僕は思います。そう思って日々研究をしていると、きっと、その後ろ姿に夢を見た誰かが必ずサポートしてくれるはずです。

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  1. 2012/03/13(火) 20:15:42|
  2. 留学情報
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留学したい人のための参考情報2

色々と断片的な情報を書き留めておきます。


日本の大学vsアメリカの大学

東大にもたくさん優秀な研究者がいることは間違いないので、大学院でアメリカに行かずに東大に行くというのは全くおかしな判断ではありません。けれど、日本人で優秀な研究者は、間違いなくキャリアのどの時期かに(多くはポスドクとして)アメリカにやって来ます。僕がMITにいて良かったと思うのは、東大出身で優秀な方々はMITに訪問される機会があるので、多くの優秀な研究者の方々だけ選択的に知り合いになれた事です。

ただ、アメリカの大学は学生のレベルがバラバラなので、上25%に入る自信が無いのならば、留学する意味は無いと思います。


研究環境

研究費という面では、日本ほど恵まれている国はありません。学振を取ってしまえば、相当な量の研究費がつきますし、研究旅行もし放題です。僕がMITにいた頃、僕が自由に使える研究費は年間500ドルでした。当然パソコンは自腹ですし、研究旅行なんて気軽にはできません。自腹で学会に行った事も何度かありました。

そんな厳しい状況でしたが、ポジティブに考えれば良い点もあったと思います。そもそも研究旅行をするためには、相手の大学や学会に呼んでもらう必要があります。なので必然的に、高いクオリティの研究をする事が義務づけられます。


アメリカの生活環境

アメリカの環境が合うか合わないかは、とてもデリケートな問題だと思います。最初の段階で、アメリカでの生活に慣れながら、新しい研究を始めながら、というのは大変な事です。アメリカにおいては、研究面で成功しているうちはとても幸せで満ち足りた日々を送ることができますが、優秀ではないと見なされれば、最悪の場合退学になりますし、そうでなくとも先生からの扱いはとても冷たいものになります。


学部vs大学院

高校卒業時の日本人とアメリカ人を比較した場合、日本人の方が圧倒的に優秀なのは間違いないです。なので、自分のやりたい事が決まっていて、周りに惑わされないだけ人間的に大人だと思えるのならば、学部から留学するのが一番スムーズだと思います。

ただ個人的には、大学院から留学してきている日本人の方が、学部から留学してきている日本人よりも、平均するとかなり優秀であるように思います。MITなどは、学部生を学費を徴収するためだけの存在としか見なしていない節があります。


研究室選び

研究室を選ぶ際に、アジア人学生は教授のネームバリューを重視する傾向があります。ところが、実際の研究室の実情が酷い、等と言った事が起こって、苦しんでいる学生を今まで山のように見て来ました。自分の能力に合った研究室、研究分野、指導教官をしっかり見極める事が大切だと思います。


就職状況

研究者以外の企業への就職は、完全にその人の能力次第だと思います。アメリカでは、研究者としての能力と、社会人としての能力に、綺麗な正の相関関係があるように思います。

一般的に物理学科PhDで、しっかりとした研究をしてきた人ならば、日本にオフィスのある外資系金融やコンサルティング会社に入るのは、そんなに難しいことではないようです。けれど、アメリカのオフィスに職を取ろうとすると、コミュニケーション能力を相当意識して伸ばす必要があると思います。

残念ながら、修士で卒業する人や研究面であまり成功していない人は、日本の大学院卒業者に比べて特に就職が有利になっているような印象はありません。


  1. 2011/11/26(土) 15:44:35|
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留学したい人のための参考情報

留学志望者のために、自分が当時出願した時の試験のスコアや、属していた学科の情報を書いておきます。
特に海外在住歴とかは無かったです。論文もコネも無かったので、成績の良さのゴリ押しだけで受かったようなものです。

一番大切なのは、エッセイだと思います。読む人に、夢を見せられるような、素敵なエッセイを書きましょう!

*経歴

 東大物理(学部)→MIT物理学科(PhD)→Caltech Prize Postdoctoral Fellow

*分野

 理論物理(量子情報理論、物性理論)

*スコア
 
 GRE quantitative 800 verbal 600, Subject mathematics 97% physics 97%, TOEFL 277

*合否

 MIT accepted(1年目fellowship), Caltech accepted (5年間fellowship)、Colorado rejected

*給料

 MITは2400per month、Caltechは3100per month

*試験対策

 リスニング→cnn student news。
 GRE verbal→緑っぽい表紙の教科書が良いです。時間があればBarrons全部覚える。
 Subject math→公式参考書読む。後は、ネットで過去問見つけた。
 Subject physics→特になし。自分の専門なので、対策は必要なかった。

*指導教官

 Edward Farhi (Physics) & Peter Shor (Math)

  1. 2011/08/11(木) 01:33:20|
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