Rouge Tea Party @Caltech

Caltechで理論物理の研究をしています。

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流行り病のようなもの

物心ついたころから、僕が面白いと感じている事と他人が面白いと感じている事に、大きなギャップがあるというのが悩みでした。

それを無理やり合わせようと思ったのが、中学生や高校生の頃。
当時の自分を思い返すと、今の自分と連続的には接続されていなくて、誰か他の人の人生を生きていた感じすらします。

本当に合わせるべきなのかと疑問に思い始めたのが、大学生の頃。
進むべき道がわからない暗中模索な日々でしたが、6年間のブランクを経てやっと自分の人生を取り戻した気がしました。

自分が面白いと感じる事だけをしようと思うようになったのが、本格的に研究をするようになった大学院の頃。
他の誰にも出来なくて、僕にしか出来ない事は何なのだろうかと考えるようになりました。

そして今は、他人がどのような事を面白いと感じているのかに興味が湧いています。
本当に大切な問題は何なのか、それに対して、僕は一体どういう貢献ができるのか。





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  1. 2016/09/08(木) 23:37:36|
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2015年11月と12月


さて、過去に遡って、11月と12月です。

11月1日から14日まではボストンに滞在していました。まずはブランダイス大学を訪問。こちらは元々はユダヤ系の大学として始まったとの事なのですが、ボストン郊外にあって紅葉の時期なのも重なって、とても美しいキャンパスに胸が躍りました。物理学科の大学院生は全部合わせても40人くらいだそうで、とても小さいけれどかわいいらしい感じの大学です。It from qubitプロジェクトのリーダーの1人であるHさんを訪ねました。

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ブランダイス大学に到着してオフィスをあてがってもらって、いざ部屋に入ってみると、なぜかスタンフォードのS君が。いわく、今学期はボストンに居住して、MITとブランダイスに週の半分ずつ滞在しているとのこと。せっかくなので、ComplexityやRandomness、その他いろいろな事を議論しました。S君とはMITでの大学院生時代に一緒だったはずなのですが、当時はほとんど話した記憶がありません。今ではとても仲がいいのが、なんだかすごく不思議です。

週の後半からはMITに移動しました。セミナーもさせていただいたのですが、一番の目的はこちらの共著者と論文を完成させることだったので、ほとんどの時間を論文の執筆にあてていました。論文自体はちゃんと滞在中に完成して、arXivに投稿することができました。実は投稿しようと思っていた予定日の3日前に共著者の一人であるスタンフォードのQ氏が、Breakthrough Prizeを受賞する事になって、そのおかげで連絡がつきにくくなるというハプニング(?)がありました。それでも授賞式(?)が終わってからは、彼の睡眠以外の時間を論文の執筆に集中させる事に成功して、予定日に投稿することができました。

そんな感じで、大忙しなMIT滞在も終わり、帰宅しました。

一応、論文へのリンクを貼っておきます。
http://arxiv.org/abs/1511.04021
量子チャンネルの理論をブラックホールや量子熱力学に応用した論文で、キャッチーな言い方をするならば、Entanglement in Timeというものを考えています。量子カオスなどの勉強にとても役立つ、というかきちんと定義するのにも役立つかと思います。今世間を賑わせている(?)4点相関関数も、エントロピーで書き下すことにも成功しました。けっこう良い論文だと思うので、興味のある方は読んでみてください。

この研究自体は、KITP滞在中にMITの共同研究者D君とスタンフォードのQさんとやり始めたものです。物性論っぽい研究をしている時は、正直そんなに難しい科目でも無いので全部1人で出来てしまうケースが多かったんですが、重力は難しいので自然と他の研究者と共同研究することが必要になってきます。基本的に人見知りの激しい僕は、これくらい強制されないと人と共同研究できないので、そういう意味でも重力の研究は楽しいですね。それに、共著者がいると、僕はほとんど宣伝に時間を割かなくて良いのが素晴らしいですね・・・。

(物性理論に関しては、本質的に綺麗な理論を構築するのが難しい分野なので、量子情報理論がアタック出来るような問題はかなりやり尽くされている感がありますが、実際の物性の問題にはあまり相性は良く無いのかなと思います。)

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ちなみに、旅行続きで洗濯が怪しくなってきたので、ボストンのユニクロでたくさん下着を買いました。北米におけるアジア系の住民の存在感は、無視できないものになっていて、ユニクロはそういった人々を主にターゲットにしている(もしくは、結果的にそうなっている)ようです。

戻ってきてからは、いろいろと残っていた仕事を片付けて、クリスマス休暇&子育てに備えました。QIPのレビューを仕上げるのにも時間がかかっていた気がします。そして、11月の最終週には東京へ向かいました。12月は、基本的には子育てをしていたのですが、その辺は書いても面白くは無いので割愛します。幸せな時間でした。

クリスマスの直前に4日ほど、上海の復旦大学でおこなわれた量子エンタングルに関する学会に参加させていただきました。1週間強にわたる学会だったのですが、娘との時間をマキシマイズしたかったので、ギリギリの日程を組みました。日本から(?)は、押川さん、堀田さん、Ryuさんが参加されていました。

参加者は物性理論、量子情報、素粒子から満遍なく選ばれていた感じでしたが、僕は物性理論に関連した量子コードに関する研究結果について発表しました。この一連の仕事は僕一人で書いた論文なのと、けっこう新しいテクニックなどをバンバン開発して勝手に解いちゃった感じがあって、コミュニティの人達にあまり認識されていないのが現状です。ちょっと悲しいですが、頑張って宣伝していくしかないですね。

といっても、このようなトポロジカル相関連の研究を続けていくべきかどうかは非常に迷う所です。実際、量子重力の研究は今が旬ですし、すでに分野のメインプレーヤーになっているわけですから、敢えてこちらをやる必要は無いわけです。それに先月MITでS君に会った時には、なんでトポロジカル相みたいにテクニカルな研究しているんだよ、さっさとやめて量子重力やろうぜ、と言われましたし・・。僕自身、良い(と自分が思うような)研究をしても特に反応の返ってこない物性論コミュニティには正直嫌気がさしている部分もありますし・・。それでも、まだやり残した事がある気がしますし・・。一方でやっぱり知識がすでにある分研究するのが楽という感覚はありますし・・。でも、そんなやる気の無い状態で他人に何を宣伝するのかという話ですし・・。その辺をどう判断すればいいかが難しい所です。

ただ、この一連の研究結果は、かなり良い仕事だというのは確信を持って言えます。後何年かすれば評価されるかもしれないですし、細かい事に一喜一憂しないことが大切でしょうね。

(そんな葛藤もあったので、あまりトークも準備しないまま望んでしまいました。その後、シドニーでも同じ内容を話したのですが、そちらではモチベーションを持ち直して完璧なトークができたのに・・・。)

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さて、上海の街なんですが、PM粒子がものすごく飛んでいて、視界は非常に不良でした。料理もあまり僕の舌には合わなかったです。北京や香港の方が料理は好きですね。それでも、中国には訪問するたびに人々の熱気に触れて、目の覚めるような思いがします。一つずつ努力して解決して、階段を1つずつ登って成功を手にしていくという姿を見てから東京に帰ると、このまま東京にいたらぬるま湯すぎて自分がダメになってしまうんじゃないかと思います。根本的な所で僕はlazyなので、自分にはある程度の競争と生活基盤のあるアメリカが合っているのかなというのが、導き出された結論でした。

ところで、上海空港から復旦大学までタクシーに乗ったんですが、運転手が居眠り運転で高速の壁にぶつかりそうになっていました。あれは本当に死ぬかと思いました。

そんな感じで、さーっと東京に戻ってきて、クリスマスにはケンタッキーを食べるなど、楽しい祝日を過ごしました。

年末には2日間だけ京都大学のFさんを訪問しました。いろいろな議論をして、たくさんのことを教えていただいたんですが、4点相関関数の実験に関しての議論が非常に刺激的でした。もしこれが実験的に実現できるのならば、非常にインパクトの大きい研究になるのでは無いかと思います。議論をしているうちに、やっぱり量子重力の事を考えているほうが、はるかにクリエイティブだし、はるかに重要な問題なのじゃないかという気がしてきて、なんとなく自分が正気に戻ったような感覚がしました。Fさんの新しい研究についても教えてもらいました。

その他には、空いている時間に学生のために、大学院出願の推薦状を書いたり、一緒に書いている論文の添削をしたりしていました。でも、メインは子育てでしたね。

  1. 2016/05/01(日) 17:50:20|
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2016年2月

さて、2月です。と言いつつ、まずは1月最終週の出来事から。

MITの大学院生で前回の論文で共同研究をしたDR君を、さらなる共同研究のために研究所まで招待しました。彼との前回の論文では、4点相関関数を量子カオスと量子チャンネルの観点から勉強したのですが、今回は8点相関関数を勉強してみようという事になりました。安直な拡張のように思われるかもしれませんし、実際僕もそう思っていました。なので、このプロジェクトはそんなに乗り気ではなかったです。

けれど彼が、これは物理的に非常に意味のある量だから、絶対に勉強すべきだと言って聞かないので、僕もそこまで言うのならと計算してみることに。で、実際に計算してみると、とても面白い結果が得られたというわけです。

僕の個人的な印象ですが、素粒子論の人たちからは、とりあえず計算できそうなものがあれば計算しとけ、というようなカルチャーを感じます。物理の質問をしても、計算手法に関する答えが返ってきたりして、よく僕は戸惑ったりします。僕自身はテクニカルな研究は好きじゃ無いので、そういう態度にかなり複雑な感情を持っていました。でも今回に関しては共同研究者が後押ししてくれたことをとても感謝しています。ちなみに彼自身に関しては、なんとなく計算してみようと提案してきたわけではありません。実際、僕の想定していた8点相関関数の形は正しくなくて、ちゃんとブラックホールの衝撃波の計量を考えた時に意味のある形とは違っていました。研究者としての彼のセンスにも助けられたと思います。

彼自身は、僕がMITやKITPを訪問した時に彼に説明した、とある量子情報のコンセプトにとても影響を受けているようでした。僕としても、そのコンセプトを量子重力の文脈で使ってみるのは面白いだろうと思っていたことも、モチベーションの1つに。その辺りのストーリーをブラックホールの複雑性に絡めつつ、という形の論文になるのではないかと思います。(ちなみに、僕たちのconjectureを確認するためには12点相関関数も計算できると良いのですが、ちょっと今僕たちが使ってるテクニックでは厳しそうです・・。)

さて2月に入ると、シドニーで行われた量子情報の研究会に参加しました。

こちらは10回目を迎える研究会で、伝統的に海岸沿いのリゾートホテルで行われます。最高ですね。

基本的にはオーストラリアの研究者たちが参加するのですが、講演者は世界各地から招待されています。最近では、カルテック出身の方がこちらで職を取られたので、カルテック関連の方が呼ばれる事が多いような気もしますが、あのジョーンズ多項式で有名なジョーンズさんも招待講演者の1人でした。ビーチ沿いであるのと、スケジュールがゆったり組まれていることもあって、終始リラックスモードの研究会となりました。

僕は、トポロジカル相に関連した結果を話しました。上海で同じ話をした時には準備不足というかモチベーション不足だったのですが、今回はなぜか気分が乗ったのでしっかり準備をして、きっちりとしてトークをすることができました。研究会の後は、1週間ほどシドニー大学に滞在。この滞在中は基本的には重力に関する研究は封印してトポロジカル相の事だけを考えると決めていたので、大学の方々と色々と議論。面白い問題も教えてもらって、共同研究なども始まりそうで、とても有意義な滞在となりました。

シドニーに戻って来た事も、とても感慨深かったです。シドニーに来るのは3回目で、1度目は9歳の頃に初めて海外旅行で来ました。2度目は去年の同じ時期で、ちょうど研究に対して悩んでいた時期でもありました。1年前に行ったレストランにもう一度行ったり、センチメンタルな気分になりながらも、滞在を楽しみました。

濃密な1週間を終えると、ニュージーランドへ行きました。こちらは完全な休暇で、Caltech時代からずっと指導してきた大学院生の子と2人で旅をしました。ニュージランドで起こった事に関しては、二人の秘密です❤️


  1. 2016/05/01(日) 17:48:01|
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2016年1月

忙しくて放置していました。すみません。

1月1日からはカリフォルニアの海岸沿いの町サンタバーバラにある理論物理研究所であるKITPにて、(量子重力を念頭に置いた)テンソルネットワークと量子コードに関する研究会に参加していました。サイモンズ財団のIt from qubitプロジェクトの一環で、プロジェクトメンバーである高柳さんや、メンバー外のゲスト研究者の方々が出席されていました。オーガナイザーのPolchinskiと僕の元ボスであるPreskillを除けば、全体的にはかなり若い世代の研究者が大部分を占める、ある意味では活気の溢れた研究会でした。

僕はMarolfさんにお願いされたので、素粒子論の人たちに向けた量子コードの理論に関するチュートリアル講演をしました。KITPにおける2016年最初の講演だったようで、なかなか緊張しましたがなんとか乗り切りました。ただ、反省点もたくさんあったので、中長期的な視点で改善していきたいと思っています。自分の研究に対する姿勢みたいなものを再確認する良い機会でもありました。

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研究会では色々な所で様々なプロジェクトが動き出していて、どれも面白そうで、どれに集中すべきかとても難しい選択でした。僕はMITを訪問した時にS君と考え始めた問題について議論したり、S君とW君と多体エンタングルメントの問題を考えたり、R君とこれまでの研究の続きを考えたりしていました。P君が、量子コードのとある定理の、AdS/CFT対応における面白い帰結の話をしていました。どういう問題にアタックするかもセンスですし、この辺は難しいですね。

近年の量子重力&量子情報の関連分野の進展は目覚ましいものがあります。僕は量子情報理論と物性理論の一部にしか詳しくはないですが、これだけ一気に研究が進展していくのは歴史的に見ても非常に稀な事だと思います。量子情報理論だと、まさに因数分解アルゴリズムが出てきて、これから色々な事が始まっていくんだ、そんな予感すら感じられるほどです。そんな激動の(?)時代に、とても優秀な研究者の方々に混ざってプレーヤーとして研究できるのは、幸せな事です。僕も、Holographic Codeで歴史の1ページくらいには貢献できたかなと思いますが、ここで終わってしまってはもったいないです。

もともと僕は、世間一般で考えられているような、いわゆる「量子情報理論」にはほとんど興味がありませんでした。現状では実験的に実現できるかは非常に不透明ですし、それは僕が研究を始めた頃から何も変わっていません。なので僕は当初から、量子情報を使って理論物理学の問題を解こうと考えていました。そのような考えの元、これまでは量子多体系の研究をしてきました。主にTQFTに分類されるような系をあつかってきたのですが、それがCFTになっただけなので、要はエネルギーギャップがあるか無いかだけの違いのようにも思います。

子育てで1ヶ月以上もフルタイムでは研究していなかったのですが、やっぱり最初の2、3日は頭がちゃんと回転していないような感覚があって、難しいなあと思いました。ただ、そんな子育てボケもすぐに治って、頭も通常運転に戻って、刺激的な滞在となりました。一方でここにきて、プロフェッショナルな英語を話す事の難しさを痛感しています。例えば、大栗先生はパーティーの席などで即興で気の利いたスピーチなどをこなす事ができるでしょうが、僕にはまだハードルが高いように思います。この辺りは、日本語か英語かの問題でもなくなってくるので、単に教養の問題と捉えていく方がよいかもしれません。

KITPの後は、QIPが行われるカナダのカルガリーに移動しました。うってかわって、雪模様の町に興奮しながらも、なんとなく気分は憂鬱でした。

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QIPは、おそらく量子情報理論における最高峰の学会となっていて、他の分野の学会と比べても飛び抜けたトークの採択率の低さを誇っています。なので、量子情報コミュニティーの人々にとっては、ここで発表することが非常にステータスになっており、またQIP自身も学会を権威あるものにするために相当の努力を払っています。今年は光栄なことにも、運営委員に選ばれましたので、運営の様子などを見る事ができました。(僕のした仕事は、20くらいの論文をしっかりと査読することで、1ヶ月まるまる吹っ飛んでいきました・・。)とても勉強になりました。

しかし競争が激しくなる一方で、QIPでは新しいアイデアよりも非常にテクニカルな結果が好まれるようになっているのも事実です。クリエイティブなアイデアなんてそんなぽんぽん出てくるわけでは無いのですが、それでも、難しそうな定理の証明などが並んでしまうのが現状で、僕自身、非常に複雑な気持ちでQIPの行く末を見ています。それに、正直に言ってしまえば、大半のトークが理解できないようになってしまいました。

量子情報理論は現在、おおまかには4つに分ける事が出来ると思います。
1、情報理論
2、計算機理論
3、物理系
4、基礎論&哲学
このうち基礎論&哲学に関しては非常に毛色が違うので、実質は上の3つがQIPのターゲットとなっています。僕は当然3に属しているのですが、1と2がQIPのメインを成しており、3は少しずつプレセンスが低くなっているのが現状です。

(少なくとも3の人々にとって)問題なのは、1&2の分野がかなり成熟してきて、他分野の研究者には非常にとっつきにくくなっている事です。これは古典の場合でも同じですが、実用から派生したはずの研究分野にもかかわらず、1&2の研究対象や手法は純粋数学に非常に似てくる傾向にあります。なので、学会全体が純粋数学よりになっていき、定理などを証明することのない物理系の論文がアクセプトされにくくなっている現状が生まれているように思います。もちろん、1&2の発展は非常に喜ばしいことなのですが、学会自体がハイジャックされているように感じる物理系の方々は多いでしょう。

現に、主に弦理論から生まれた重要な量子情報の結果などは、QIPに投稿されることすらなくなってしまいました。例をあげるならば、Maldacena-Stanford-Shenkerのカオスに関する論文、SusskindたちによるComplexity=Actionの論文、Evenbly-Vidalによる新しいMERAに関する論文などです。この3つの論文は、まぎれもなく革命的な論文だと思うのですが、QIP参加者にとっては「そもそも主張の定義が数学的に厳密じゃない」から興味がわかないそうです。僕は、「正しい定義」を見つけることこそクリエイティブな研究の醍醐味だと思うので、そこを他人任せにしてしまう人々の考えはイマイチ理解できません。

このように色々思う所のあるQIPなのですが、僕自身は今年は当たり年で、4つの論文をアクセプトさせる事に成功しました。これはちゃんと確認していないですが、ETHのRennerと、IBMのBravyiと並んで最多タイではないかと思います。Rennerは大きなグループのボスで共著が多いので、実質はBravyiとタイという事で、非常に光栄極まりないです。僕としては、自分のレジュメの強化にもつながりますし、こういう学会があると年単位での研究スケジュールにメリハリがつけられるので、これからも参加していきたいと思っています。

とは言っても、とうてい理解できないトークに参加する気は無いので、大半の時間はスタンフォードのW君と議論をするのにあてていました。Kapustin-Thorngrenの2-group TQFTの話をきっちり理解しようと議論をしたり、多体エンタングルメントの事をさらに議論したり、とても充実した時間となりました。

しかし思わぬ落とし穴。帰宅する直前になって、高熱を出してしまってどうにも動けなくなってしまいました。結局3日間滞在を延ばしたのですが、最初の2日は食べると吐いてしまうので、りんごジュースだけ飲んでひたすら眠るだけでしたが、なんとか持ち直して自宅まで戻りました。一度昔、38度くらいの熱のまま東海岸から西海岸への飛行機に乗って、自宅に帰った頃には熱が40度近くになっていたなんて事があったので、無理はしないで予定を変更させることにしました。

そんな感じで、1月から忙しくしています。またそのうち、過去の事も思い出して記録していこうと思います。それでは。


  1. 2016/01/23(土) 15:15:41|
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KITP滞在


5月上旬からのKITPの滞在も終わりが近づいて来ました。
ですので、少し振り返ってみたいと思います。

到着してから2週間ほどは、知り合いがほとんどいなかったのと、興味のあるテーマを研究している人が少なかったので、正直退屈でしたし寂しかったです。
なので、論文を読んで勉強したり、一人でやっているSPTのプロジェクトの事を黙々と考えていました。
ちょうど、CaltechでB君からgeneralized symmetryの事を教えてもらったばかりで、lattice modelを前の論文でやったみたいにcolor codeを使って構成する事が出来て、結果1つ論文になるようなアイデアが浮かんで良かったです。

2週間ほど経つと、この前の論文の共著者であるDanielがやって来て、僕をhigh energyの人々に紹介してくれて、少しずつ話し相手が増えて行きました。
今回のKITPの滞在プログラムの中盤には、1週間の学会がスケジュールされていて、そうこうしているうちに、僕の友達たちがたくさんKITPにやって来ました。
学会中は議論する内容&相手がたくさんで、学会のトーク自体には3割ほどしか出席しませんでしたが、とても充実した時間でした。

具体的には、MITで1ヶ月ほど前に会ったDanとも再会して、Scramblingに関連したアイデアを話したら興味を持ってくれて、一緒に色々と考え始めました。
学会が終わってからは、XiaoliangとDanと定期的に議論して、基本的にはscrambling等について考えていました。
恐らく、最低1つは論文を3人で書く事になりそうですが、このテーマがどれくらい広がって行くのかはまだ未知数です。
その後は、アレルギー注射のために2日間ほどCaltechに戻って、Kitaevと2時間近く議論しました。
KITPに戻った後は、僕がトークをする番だったので、SPTの話をしました。

そうこうしているうちに、プログラムも終盤に差し掛かり、滞在している研究者の数も少なくなって来ました。
なので、SPT関連の論文を書き上げようと連日パソコンに向かっていたのですが、少し込み入った計算があって、それがどうしても上手く行かなくてフラストレーションがたまりました。
そして現在に至るという感じです。

総括してみると、非常に有益な滞在だったと思います。
刺激的過ぎて、たくさんのアイデアが浮かんできてしまったので、取捨選択していかなければいけないのが大変です。

KITP訪問中は、キャンパスから約7kmくらい離れた場所にある一軒家にホームステイさせてもらっていました。
とても綺麗で広々とした家で、かわいい猫が2匹いて、居心地の良い家でした。
Landlordは78歳のおばあさんで、15年ほど前に夫に先立たれてから、KITP訪問者を受け入れるプログラムを始めたそうです。
とてもいい人でしたが、何となく死が身近にある空間なのが、少し辛かったです。

3月末から今まで、定住する家の無い生活を続けていますが、疲れが貯まって来たものの、この生活スタイルにも少しずつ慣れて来ました。
10月になるまでは今のボヘミアンスタイルの生活が続くので、健康等に気を付けながら生きて行きたいです。

さて、今週末には東京に向けて飛び立ちます。
久しぶりに娘に会うのが楽しみです。



  1. 2015/06/30(火) 17:20:48|
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